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母の幸せ

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母、84歳。

賃貸住宅の7階に実質ひとりで1DKで暮らしている。

糖尿病で1日3回のインスリン投与は欠かせない。

訪問看護とヘルパーが入るようになって1年4か月、デイサービスに通うようになって9か月が経った。

 

そしてその間に糖尿病で通う病院が2回変わった。

長年通っていた病院の担当医が別の病院に移ることになった。

その結果その病院の糖尿病の外来は閉鎖となり、近隣の総合病院を紹介された。

そこでこのコロナ禍…総合病院は常に混雑し、2回通ったところで

「重度の症状がない患者さんは近隣の小さな病院への逆紹介をおすすめしている」とのこと。

最寄り駅の近くにある病院に切り替えた。

 

病院が変わるたびに血糖値の測定器が変わる。

これが母には大変。

全く違うモノの使い方をイチから覚えるのは一苦労。

かといって、似ているものだとどこが変わったかわからなくなることもあり混乱する。

最近ようやく落ち着いたように見える。

 

そんな母から先日の夜中、電話がかかってきた。

「腕が痛くて起き上がれないの。トイレにも行きたいのにどうすればいい?」と涙声。

時間は深夜1時過ぎ。

「○○子(私の妹)にも△△(私の弟)にも電話をしたが出ない」という。

弟は夜間トラックで走っているので出られないのだが、母は弟がその仕事に変わったことを知らない。

妹は、寝てるのかな…困ったな。

私が急いで行くとしても、高速を使っても1時間弱。

妹は近くに住んではいるが車がない。

この時間に自転車ってどうよ?

とはいえ、一応緊急事態なので「あたしから○○子に連絡をとるからそのまま待ってて」と伝えて電話を切った。

「○○子に連絡とれなかったらあたしが行くから」と。

 

幸い○○子にはすぐ連絡がとれた。

やはり寝ていたようだったが、「わかった、すぐ行く」と言ってくれた。

その後、何とか身体を起こしたがやはり腕が痛いというので救急車を呼んで総合病院へ行ったとのこと。

レントゲンを撮り異常がないため鎮痛剤を処方されて帰宅したそう。

本人は「入院したい」と言ったそうだがドコモ悪くないのであえなく却下。

てか、入院したいんかい!

しかも、かけつけてくださった救急隊員には「さ~わ~ら~な~い~で~」と言ったとか…。

痛かったのか男性が怖かったのか定かではないが、どちらにしてもホントすみません。。。

 

そこから1週間、調子がつかめないままの生活となった。

やはり起き上がることが上手くできず、デイサービスのお迎えの時間に出られなかったり、

薬のある場所へ行けずに飲まなかったり、インスリンも打てないことがあったらしい。

 

その騒動のちょうど1週間後が糖尿病の通院日。

いつも手帳に書いている血糖値や血圧の測定値がないため、先生に「どうしました?」と聞かれ

一連の話をすると「大変でしたね~」

でも、体重は減っているし、薬が飲めなかった割には数値もそこまで悪くないとのこと。

え…どゆこと?

考えられるのはただ一つ。

つまり、日ごろ食べすぎってこと???

この感情の持って行き場を教えてください…。

 

もう残り数ないであろう人生を楽しく過ごしてほしいと思う。

薬が苦痛ならやめてもいいと思う。

好きなモノを食べてのんびり暮らすのもありだと思っている。

ただそうすれば体の不調からも逃れられないだろう。

その時どうするか…そこまでの覚悟で好き放題する勇気は母にはないだろう。

だとしたら、もう少しいい子にできないかな?笑

 

私の父は「アルコール依存症」だった。

私が中学生のころからだんだん会社に行かなくなり、

高校の時にはすっかり行かなくなっていた。

暴力をふるったり暴れたりすることはなかったが、

とにかくいつも飲んでいた。

そしてトイレで吐いていた。

その時のあの絞り出すような声と音は今でも忘れることができない嫌な記憶。

あんなに辛そうに吐いてまで飲む意味が当時は全く理解できなかった。

何度か入院もした。

2週間くらいなら我慢できるようで退院した帰り道にお酒を買ってくる有様だった。

父が亡くなって30年以上経った今も

「母はずっと苦労してきたから…」

という思いがいつも私の中にある。

母が幸せを感じたときはどのくらいあったのだろう。

いつも気になっていた。

だからせめて今は幸せに過ごしてほしい。

穏やかに過ごしてほしいと思っているのだが…。

 

実家にいて様子を見ていると、ひとりで何か話しながら血糖値を測っている。

「えっと、次はこうして、これは…あれ?」

と段取りを確認しながら一つずつこなしている。

小さい子がひとりで何かをやっているのを見るような光景。

かわいいよう、切ないような、でも自力でがんばっている姿は誇らしくもあり、複雑な気持ちになる。

そばにいて、そっと間違いを正して、あとは自由にさせてあげられるのが一番いいのだろう。

 

私が引き取ることも不可能ではない。

が、母は動物が苦手。

我が家がねこと暮らし始めてから1度もウチには来ていない。

弟の家にも犬がいるのでNG。

妹と母はもともと相性が悪いので、一緒に暮らすことはおそらく無理だろう。

今回のことがあって以来

「もう、犬が嫌だの猫が嫌だの言ってられないよ?」

とは話している。

今までは断固拒否だった母も「はい」と答えたので少し驚いた。

 

母は現在「要介護1」。

このところの諸々の出来事から「要介護2」に変更したいと申請することにした。

もしかなえば、デイサービスを増やして薬の飲み忘れや食べすぎを防ぐことができる。

電動ベッドを入れて起き上がることを楽にできる。

介護認定調査も終えたので結果を待つのみ。

 

「ここに住んでいたい」

という母の願いをかなえてあげたい。

そのためのサポート体制を整えたい。

だからできることは頑張ろうね、お母さん。

 

 

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