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命の期限

わたし
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友達が「膵臓癌」と診断された

「すでにあちこちに転移しているため手術はしないで抗がん剤の治療にするそうです」

という文章に続き、彼女の決意表明という名の思いが綴られ

「そして、みんなに会いたいです」と結んであった。

 

彼女とはとあるSNSで知り合った。

本当にいろいろな人生経験をしている人で

いつも正直な言葉でそのSNSに日記を記していた。

新しもの好きで何でもやってみるタイプ

当時の私とは対極のところにいた

彼女の行動にハラハラしたり、時にはイラっとしたり(笑)

つまりはうらやましかったんだと思う

やりたいことをやっている彼女がただ単純にうらやましかったんだと思う

今ならそう思える。今なら。

 

それから数日した彼女の書き込み

 

「どちらを選びますか?」

膵臓癌の場合、抗がん剤治療をしても

劇的に改善することは、ほぼないそうです

やってもやらなくても残された時間は大差ないということです

 

つらい抗がん剤治療をしてしかめっ面で過ごすより

痛み止めの力を借りて穏やかに笑顔で過ごす

 

これが彼女の選択

 

そしてこれはあの日の彼の選択と同じ

彼の場合は何癌か特定できないため抗がん剤が決められないという特殊な事例ではあったけれど

「もし何癌がわかっても抗がん剤はやらないよ」

彼はそう言った。言い続けた。

私は彼が決めたならそれでいいと思った。

きっと私もそうするだろうとも思った。

 

今の彼女の気持ち、あの日の彼の気持ち、

明日のことは誰にもわからないんだということ、

わかっているつもりなだけで実は何ひとつわかっていないんだろうと思う。

でも今は精いっぱいの「わかっているつもり」で

彼女の選択を、あの日の彼の選択を

「それでいいと思うよ」と伝えたい。

 

彼も病室からたくさんの友人に電話をかけていた。

たくさんの友人が会いに来てくれた。

それがうれしそうだったから

それがうれしかったんだと思うから

私も彼女に会いに行く。

 

1月6日、7年半ぶりの再会まであと6日。

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